はじめに
修学旅行は、学生にとって一生の思い出に残る特別な行事です。学びや交流の場としての意義や、仲間と過ごすかけがえのない時間など、さまざまな価値が詰まっています。そんな大切なイベントをより充実したものにするために、しおり(旅のしおり)を準備するのは非常に効果的です。特に、自分たちでオリジナルのしおりを作成することで、情報を整理しやすくなるだけでなく、修学旅行そのものを主体的に楽しもうという意識が高まります。
近年はインターネットやSNSが普及し、観光情報を入手するのはとても容易になりました。しかし、膨大な情報があるがゆえに混乱してしまうこともしばしば。そこで、「オリジナル修学旅行しおり」を作成し、必要な情報をまとめ、一目で行程や注意点がわかるようにすることには大きなメリットがあります。
さらに、自作のしおりは自分たちのクラスやグループの個性やテーマを反映させることもできます。たとえば、行き先に関連したイラストや写真を活用したり、各ページに班の目標や意気込みを載せたりといった工夫をすれば、単なる情報ツールにとどまらず、仲間との思い出づくりにも役立つでしょう。本ガイドでは、そんな「オリジナル修学旅行しおり」の基本的な作り方と、そのプロセスで押さえておきたいポイントを、ステップ形式でご紹介していきます。ぜひ参考にしていただき、自分たちだけの思い出を詰め込んだ特別なしおりを完成させましょう。
第1章:修学旅行しおりの役割と目的
修学旅行しおりは、単なる旅程表や地図の詰め合わせではなく、次のような役割や目的を持っています。
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行程の明確化
行き先や日程、移動手段、宿泊先など、当日バタバタしないように事前に把握しておくことができます。しおりを手に取れば、誰もが旅行の全容を簡潔に理解できるのが大きなメリットです。 -
班行動や個別行動の指針
修学旅行では、クラス全体での集合行動だけでなく、班やグループ単位で行動する時間が組み込まれることがほとんどです。しおりには地図や訪問先の情報、集合場所や集合時間がわかりやすく記載されているため、各班がスムーズに活動できるようになります。 -
安全確保と緊急時対応
修学旅行では、万が一の出来事に備えておくことが重要です。しおりには緊急連絡先や先生方の連絡先、班長の連絡先、宿泊先や観光地などの現地連絡先をまとめておくのが一般的です。いざというときに、すぐに必要な情報を確認できるようにしておくことが不可欠です。 -
学習効果の向上
修学旅行先に関する歴史や文化、地理的特性を事前に学ぶ機会にもなります。しおりに豆知識やクイズを盛り込んだりすることで、興味を持って旅先を見て回れるようになり、学びの面でも大きな効果が得られます。 -
思い出づくりと共有
最後には、しおり自体が思い出の品にもなります。あとから見返すことで旅の記憶が鮮明に蘇り、クラスメイトとの楽しかったエピソードを振り返ることができます。写真やメッセージスペースを設けるなど工夫すると、より思い出深いものになるでしょう。
第2章:オリジナルしおり作成のメリット
ここでは、市販の旅行ガイドブックや学校から渡される既製のしおりではなく、自分たちの手でオリジナルしおりを作ることのメリットを掘り下げてみましょう。
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主体的な学習姿勢の育成
オリジナルしおりを作る過程では、自然と行き先の情報を深く調べたり、旅行先の地理や歴史、文化に関する知識を集めたりすることになります。こうした自主的な学習プロセスこそが学習効果を高め、単なる旅行を「学びの場」に変えてくれます。 -
チームワークの向上
しおりは一人で作るよりも、複数人でアイデアを出し合いながら作るほうが効率的です。役割分担や情報の取りまとめ、デザインの考案など、それぞれが得意分野を活かしながらプロジェクトを進めることで、クラスやグループ内でのコミュニケーションが活発になり、チームワークが深まるのです。 -
オリジナリティの追求
修学旅行のしおりというと、どうしても「定番」の形式にとらわれがちです。しかし、オリジナルしおりであれば、細かい部分まで自由にアレンジできます。たとえば、学校のテーマカラーに合わせたデザインにしたり、修学旅行のスローガンを大きくあしらったり、ページにイラストや写真を多めに入れたりと、創造性を存分に発揮できるでしょう。 -
達成感や思い出の深まり
手間をかけて準備したしおりは、実際に使うときにも特別な存在感を放ちます。自分たちで作り上げたものだという意識が高まれば、修学旅行そのものへの愛着や思い出がより深まります。また、帰ってきてからも、そのしおりを眺めるたびにチームで作業したときの苦労や楽しさを思い出せるでしょう。
第3章:作成前の準備
実際にオリジナルしおりを作成する前に、次のような準備をしておくとスムーズに作業を進められます。
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担当者やチームの編成
クラス全体で一つのしおりを作る場合は、役割分担が大切です。旅行先のリサーチ班、デザイン班、編集班などに分かれ、それぞれが責任を持って作業を進めましょう。もちろん、最終的にはみんなで共有し合い、調整するプロセスが必要です。 -
使用ツールの選定
手書きが得意なら紙ベースで作ってもよいですし、パソコンで作業するならワープロソフト(WordやGoogleドキュメントなど)やデザインソフト(Illustrator、Canvaなど)を使用するのもよいでしょう。デジタルであれば、編集や共有がしやすいため大人数で作業するときに便利です。一方、手書きの味わいや個性を大切にしたい場合は、紙ベースのコラージュのような形での製作も素敵です。 -
制作にかけられる時間の把握
学校行事や部活動、試験期間なども考慮しながら、しおり作成に割ける時間を見積もっておきます。余裕をもって計画しないと、完成しないまま出発当日を迎えてしまう恐れもあります。スケジュール管理は重要です。 -
予算の確認
紙質や印刷方法によっては、想像以上に費用がかかることがあります。クラスや学年で制作費を集めるのか、個人で負担するのかなど、あらかじめ金銭的なプランを立てておきましょう。 -
学校側のルールの把握
学校によっては、しおりの形式やデザインに関して注意点や規定がある場合があります。また、旅行先での行動に関するルールや配布物に関するガイドラインを事前に確認しておくと、トラブルを防げます。
第4章:ステップ1 – テーマ設定と目的の明確化
オリジナル修学旅行しおりの作成を始めるにあたり、まずは「コンセプトやテーマ」をはっきりさせましょう。単に行程を載せるだけのしおりにしたいのか、それとも学習効果を高める工夫を入れたいのか、思い出作りの要素を重視したいのかなど、目指すゴールによって構成やデザインは大きく変わってきます。
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旅行のテーマを決める
たとえば、「京都の伝統文化を楽しむ旅」「沖縄の自然を学ぶ旅」「都市部で最先端技術に触れる旅」など、行き先に応じてテーマを設定します。テーマがあるだけで、しおりに載せるべき情報の優先順位や記載内容が明確になります。 -
しおりに組み込みたい要素をリストアップ
- 行程表(タイムスケジュール)
- 観光地の地図
- 班行動ルート
- 緊急連絡先の一覧
- 観光地や施設の豆知識
- 修学旅行のスローガンや目標
- クイズやミッション企画
- 自由記入欄、メッセージ欄
これらの要素を必要に応じて取捨選択し、どこにどれだけのスペースを割くか検討します。
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全体のトーンや雰囲気を決める
しおりのデザインやレイアウトの方向性を、みんなで意見を出し合いながらざっくりと決めておきます。ポップなイメージにするのか、シックで落ち着いた雰囲気にするのか、手書きイラストを多用するのかなど。実際の作業に入る前段階で方向性を共有しておくと、後から意見の食い違いが起きにくいです。
第5章:ステップ2 – 行き先の情報収集
次のステップは、修学旅行の目的地や訪問先に関する情報を詳しく収集することです。ここでの成果がしおりの完成度を左右するといっても過言ではありません。
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信頼できる情報源を活用
旅行会社が提供しているパンフレットや公式ウェブサイト、観光協会のサイト、学校配布の資料など、信頼性の高い情報源から確実なデータを得ます。インターネット上の口コミサイトやSNSの情報も参考になりますが、情報が古い・不正確な場合もあるため、複数ソースで確認すると安心です。 -
観光地や施設の特長をリスト化
行き先ごとに「見どころ」「有名な体験」「おすすめの食べ物」などをまとめると、あとでしおりに反映させる際に役立ちます。また、特に修学旅行で重点的に学ぶべき歴史的エピソードや文化的背景があれば、ポイントを分かりやすく整理しておきましょう。 -
地図情報や移動経路の把握
グループ別行動がある場合は特に、目的地までの徒歩ルートや公共交通機関の乗り方を調べておく必要があります。移動時間や乗り換えのタイミング、料金などを調べておくと、スケジュールが立てやすくなり、後日しおりに掲載する際にもスムーズに反映できます。 -
注意事項やルールの確認
修学旅行では、自由行動や見学先でのマナーが守られなければいけません。拝観時間や撮影禁止エリア、飲食禁止のエリアなどをあらかじめ調べ、しおりにはっきり明記しておくと、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
第6章:ステップ3 – スケジュール案の作成
情報収集を終えたら、いよいよスケジュールを具体的に作り上げていきましょう。しおりのメインコンテンツとなるのが「スケジュール表(行程表)」です。
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大まかな日程の流れを把握
学校が決めた公式なスケジュールや旅行会社から提示されたプランをもとに、集合時間や出発時間、宿泊先への到着時間、食事の時間などを時系列で配置します。大まかな骨組みができたら、その合間に班行動の時間や自由行動の時間を組み込みます。 -
余裕を持った時間設定
現地では交通渋滞や行列、思わぬアクシデントが起こることもあります。スケジュールはなるべくタイトになりすぎないよう、適度に余裕を持たせましょう。特に、集合時間には待ち合わせ時刻を早めに設定しておくと安心です。 -
ポイントとなる場所やアクティビティを明示
たとえば、「午前10時に金閣寺見学」「昼食は12時から13時までの間に班ごとに自由にとる」など、重要な観光スポットや時間帯は強調して示します。見どころが多いエリアでは、事前におすすめ順や回り方の例を記載しておくと、当日の計画が立てやすくなります。 -
班ごとの自由行動プラン作成支援
全体のスケジュールとは別に、班別行動の計画表を用意しておくのも有効です。あらかじめ候補となる観光地やアクティビティを数パターン用意して、班ごとに選択してもらい、オリジナルの行程を立てる仕組みにすると、各自が興味を持って参加できるでしょう。
第7章:ステップ4 – 必要な情報の収集とまとめ
スケジュール案が固まってきたら、しおりに掲載すべき情報をさらに細かくまとめます。ここが情報の取捨選択と編集センスの見せ所です。
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観光スポットごとの紹介文作成
歴史背景や文化的意義、見どころ、周辺のおすすめスポットなど、読み物としておもしろく、かつわかりやすい文章を心がけましょう。クラスメイトが読み飛ばさないように、長文ではなく適度なボリュームでまとめると◎です。 -
地図や写真、イラストの用意
地図は行動範囲がわかりやすいように強調表示したり、簡略化して見やすくしたりする工夫が必要です。無断転載や著作権侵害にならないよう、写真やイラストは使用許諾のあるもの、あるいは自分たちで撮影・作成したものを使いましょう。 -
緊急連絡先や注意事項のリストアップ
学校代表電話、引率教員の連絡先、宿泊先や観光地の問い合わせ先、地元の警察署・消防署など、万が一のときに必要になる情報をリスト化します。修学旅行では、意外とこうした連絡先をパッと確認できる資料があるかないかで安心感が変わります。 -
ルールやマナーの明文化
「出発の10分前には集合」「公共の場所では静かに行動」「撮影禁止の場所ではカメラを使わない」など、クラスや学校が定めたルールをしおりにしっかりと明文化しておきます。トラブル防止の第一歩です。 -
ページ構成の案作り
しおり全体のページ数を見込み、それぞれのページに何を配置するかを決めます。最終的なデザインに入る前に、あらかじめページ割りをしておくと、レイアウトがスムーズに進みます。
第8章:ステップ5 – デザインとレイアウトの考案
ここからは、しおり全体の見やすさ、デザイン性を高めるステップです。情報をどれだけ充実させても、読みにくいレイアウトではうまく活用してもらえません。
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基本レイアウトのテンプレートを作成
たとえば、A4サイズを二つ折りにする形式や冊子形式など、まずは紙のサイズと折り方を決めます。続いて、「表紙」「目次」「スケジュール」「観光地紹介」「緊急連絡先」「裏表紙」のように、大まかなレイアウトを考えましょう。 -
文字の大きさとフォントの選定
見やすい文字の大きさやフォントを選ぶのはとても重要です。タイトルや見出しはやや大きめ、本文は読みやすいサイズを維持することが理想です。紙の大きさや行数との兼ね合いを考えながら、実際にプリントしてみて確認すると失敗が少なくなります。 -
配色の工夫
背景色や文字色を組み合わせるときは、コントラストがしっかりしていて読みやすいかを最優先に考えましょう。あまりに明るい背景色に薄い文字色を重ねると、読みにくくなりがちです。また、テーマカラーを決めて全体の印象を統一すると、しおりにまとまりが生まれます。 -
イラストやアイコンの活用
長い文章が続くと飽きてしまいがちなので、適度にイラストやアイコンを挟むと良いでしょう。地図に目印アイコンを貼るだけでも、視覚的に情報を捉えやすくなります。イラストが得意なクラスメイトに描いてもらったり、フリー素材を活用したりする方法があります。 -
ページごとのレイアウトの整合性
しおり全体で、見出しの配置やページ番号、ページ上部や下部の余白などを整合性を保って揃えると、プロっぽい仕上がりになります。デザインソフトやワープロソフトを使っている場合は、マスターページやヘッダーフッター機能を使うと便利です。
第9章:ステップ6 – 具体的なコンテンツの作成
デザインの基本方向が決まったら、実際にコンテンツを配置していきます。ここでは、より実践的なポイントを解説します。
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わかりやすい見出しをつける
「1日目のスケジュール」「グループ行動計画」「〇〇エリア観光スポット」など、読み手が目的の情報に素早くたどり着けるよう、ページごとに大きな見出しを入れましょう。見出しには太字や大きめの文字を使ってメリハリをつけます。 -
地図の作成や加工
しおりに載せる地図は、詳細すぎると読みにくく、簡略すぎると目的地が分かりづらいなどの問題が起こりがちです。実際に移動するルートに関係ない通りや施設は省略したり、小さなイラストで目印を入れたりして、見やすさを意識して加工しましょう。 -
写真やイラストにキャプションをつける
ただ写真やイラストを配置するだけでは、どこを写したものか、何が描かれているかが伝わらない場合があります。簡単なキャプション(説明文)を添えることで、利用する人がより深く理解できるようになります。 -
情報量のバランスを取る
スケジュールや緊急連絡先など、必須情報はどんなにスペースが少なくとも優先して大きく載せましょう。一方で、コラムや豆知識、コラム的なテキストは、ページ全体のバランスを見ながら配置し、圧迫感のないように留意します。 -
校正とチェック
作成が完了したら、誤字脱字や情報の誤りがないかを入念にチェックします。複数人で確認することで、見落としを減らすことができます。可能ならば先生や旅行担当者にも目を通してもらい、内容に問題がないかを最終確認しましょう。
第10章:ステップ7 – 安全対策・緊急時の対応
修学旅行のしおりで重要なのは、何と言っても安全確保です。楽しい旅行にするためにも、安全面の情報をわかりやすくまとめておきましょう。
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緊急連絡先一覧の明確化
一覧には学校の電話番号や引率教員の携帯番号だけでなく、宿泊施設や地元の警察・消防署、利用する交通機関の問い合わせ先などを載せます。緊急連絡先一覧は、しおりの表紙の裏や最終ページなど、目立つ場所に配置すると良いでしょう。 -
連絡網のルール作り
班長や副班長がトラブルに遭遇した場合、どのように連絡を回すのか、どの順番で誰に報告するのかなどのルールを明確にしておきます。クラス単位ならばクラスLINEグループやメッセンジャーなどを活用する方法もありますが、学校の規定に従うことが最優先です。 -
体調不良時や事故発生時の対応フロー
当日具合が悪くなった場合や、怪我をした場合にどう対処するか、しおりに記載しておくと安心です。担任の先生や保健の先生に連絡してから病院へ行くなど、具体的な手順をまとめておくと、誰もが同じ基準で行動できるようになります。 -
防災情報・避難経路の確認
地域によっては地震や津波などの自然災害リスクが想定される場合があります。宿泊先や観光施設の避難経路や緊急時の集合場所なども事前に確認し、しおりに記載しておくと、万が一の際の行動がスムーズです。
第11章:ステップ8 – しおりに盛り込む追加要素
オリジナルしおりをより魅力的にするために、単なる情報提供の枠を超えたコンテンツを盛り込んでみましょう。
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班対抗クイズやミッション
観光地の歴史や豆知識に関するクイズを作成し、班ごとに点数を競う形式にすると、楽しみながら学べます。クイズの答えは見学を通じて現地で発見できるようにしたり、クイズが当たったら先生からちょっとしたお菓子がもらえるなど、ゲーム性をプラスするとさらに盛り上がります。 -
SNS投稿のハッシュタグ提案
修学旅行中にSNSを使う機会がある場合は、クラス共通のハッシュタグを設定し、思い出写真を共有しやすくしてみるのも面白いでしょう。ただし、SNSの使用に関しては学校のルールや個人情報保護の観点から注意が必要です。 -
メッセージページや寄せ書きスペース
しおりの最後の数ページを、クラスメイト同士がメッセージを書き合えるコーナーにしてみてはいかがでしょうか。帰宅後に交換するなどして、旅の思い出を一つの場所に集約すると、ずっと残る宝物になります。 -
アクティビティ・自由研究のヒント
修学旅行をきっかけに自由研究を行う場合や、その地域の特産品を使った体験ができる場合など、興味を広げる要素をしおりにまとめておくと、旅行後の学習にもつながります。
第12章:ステップ9 – 印刷・製本・配布の方法
オリジナルしおりが完成に近づいてきたら、実際に配布できる形に仕上げるための準備を進めましょう。
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印刷方法の選択
- 自宅や学校のプリンターで印刷
少部数ならコストが低く抑えられますが、カラー印刷を多用するとインク代がかさむこともあります。用紙は厚めのものを選ぶとしっかりした仕上がりになります。 - コンビニ印刷
メンバーが各自でPDFデータを持ち寄り、コンビニのコピー機で印刷する方法。急ぎの場合や、手軽にカラー印刷したい場合に便利ですが、部数が多いと費用がかさんでしまうかもしれません。 - 印刷業者への依頼
クラスや学年規模で大量に印刷する場合は、印刷会社に依頼した方が低コストかつ綺麗な仕上がりが期待できます。納期に余裕を持って注文するのがポイントです。
- 自宅や学校のプリンターで印刷
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製本方法の検討
- ホチキス止め(中綴じ)
冊子形式にするならホチキスでとめるのが簡単です。 - リング製本
リングでとじるとページがめくりやすく、自由に書き込みしやすいという利点があります。 - クリアファイルに挟む
急ぎの場合や予算がない場合に手軽にできる方法です。ページの差し替えも容易です。
- ホチキス止め(中綴じ)
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クラスメイトや先生への配布タイミング
早めに配布することで、みんなが事前にしおりを確認し、旅行先の知識を深められます。ただし、直前に変更が入る場合もあるので、最終版の配布のタイミングは旅行直前が望ましいでしょう。改訂版が出る可能性があるなら、デジタルデータでの共有も併用すると混乱を避けられます。 -
デジタル版の配布
紙のしおりに加えて、スマホやタブレットで閲覧できるPDFデータも配布しておけば、荷物を減らしたい人や、なくしてしまった人、印刷物を汚してしまった人にも対応しやすいです。旅行先で電波が悪い場合も想定し、オフラインで閲覧できる形式にしておきましょう。
第13章:ステップ10 – 配布後の活用方法とフィードバック
オリジナルしおりは配布して終わりではありません。実際に修学旅行で活用し、さらに帰ってきた後にもいろいろな使い方やフィードバックの方法があります。
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旅行前の事前学習に活用
配布後、しおりに書いてある情報をもとにクイズ大会やディスカッションを行うことで、知識を深めつつ旅行への興味を高められます。修学旅行中に気づいたことをメモする欄を作っておけば、現地での学びの質がぐっと高まります。 -
旅行中のコミュニケーション促進
しおりにメッセージを書くスペースやスタンプを押す場所を設けておけば、クラスメイト同士のやり取りが増え、旅先での団結感が高まります。班同士でお互いのしおりを見せ合いながら、どこへ行くか相談するのも楽しい体験です。 -
旅行後のふりかえり
帰校後にクラスでしおりを振り返り、実際に行った場所や印象に残った出来事を共有しましょう。うまくいった点や、もう少しこうしておけば良かったと思う点を洗い出し、次回以降に活かすための資料としてもしおりを参照できます。 -
データのアーカイブ化
PDFデータや制作に使った文書ファイル、イラストデータなどは、クラスや学校の共有フォルダに保存しておくと、後輩たちが修学旅行しおりを作るときの参考資料にできます。また、教員が次年度以降のしおり作成指導に活用するケースもあります。 -
アンケートや感想文でのフィードバック
旅行後にクラスメイトにアンケートを取り、「しおりのどこが役立ったか」「もっとこうしたい部分はあったか」などの意見を集めれば、しおりの完成度を高めるための良いフィードバックになります。これらの声を反映して改訂版を作ることも考えられます。
まとめ
ここまで「オリジナル修学旅行しおり」を作る基本的なステップを順に見てきました。改めてポイントを整理すると、以下のようになります。
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目的とテーマの明確化
ただ旅程を載せるだけのしおりか、学習・思い出作り重視かで構成やデザインが変わる。 -
情報収集と取捨選択
行き先の観光情報や歴史・文化を調べ、クラスに必要な情報を見極めてまとめる。 -
スケジュール作成とページ構成
大まかな行程から具体的な時間配分まで計画し、それに合わせてページ割りを考える。 -
デザインやレイアウトの工夫
見やすさ・読みやすさを第一に、適切なフォントや配色を選び、イラストや写真を効果的に配置する。 -
安全対策と緊急対応の明示
緊急連絡先や対応フローをわかりやすく記載し、安心して旅行に臨めるようにする。 -
製本・配布方法の選択
印刷費や紙の種類、配布タイミングを考慮し、必要に応じてデジタル版も準備する。 -
実際の活用とフィードバック
修学旅行前・中・後でしおりを活用し、最終的に感想やアンケートを通じて改善点を洗い出す。
オリジナル修学旅行しおりを作ることは、単に旅行の情報をまとめるだけでなく、クラスメイト同士のコミュニケーションを深めたり、学びを豊かにしたりする大きな意味があります。すべてを完璧に作り込む必要はありませんが、工夫やアイデアを凝らすことで、自分たちだけの特別な「思い出の本」を完成させることができます。
時間と手間はかかりますが、その分得られる達成感は大きく、旅行の思い出を何倍にも彩ってくれるでしょう。ぜひ本ガイドを活用して、自分たちのクラスやグループならではのオリジナル修学旅行しおりを作り上げてみてください。皆さんの修学旅行が、かけがえのない楽しい時間となることを心から願っています。